奇跡とすべき奇跡

2013年5月26日
人には、どんなに悲しみに暮れても、どんなに怒りにうち震えても、必ず心穏やかになる瞬間が訪れる


俺にとっては今がそれだッ!(ズガアァアン)


ただでさえ憂鬱な状態でいたのに、バイト先のババアの過干渉に嫌気がさすあまり、
人はおろかモノにすら当たらない俺が、珍しくも手当たり次第に無機物を蹴り飛ばしては自己嫌悪していた…

そんなサイクルを繰り返してた時間が嘘のように、今、心は晴れ渡っている!ごめんね蹴った器材!


それもこれも…全部、あの2人の幼女のせいだッ!(お約束)


やさぐれて非効率的に仕事をしていた自分に、何を間違ってしまったのか「すみません…」と声をかけた、幼い影。

反射的にはいと返事をして振り返ると…恐らく姉妹であろう、美麗な漆黒の長髪を携えた女の子が2人、そこにいた。声をかけてくれたのは、どうやら年下の方のようだった。

可憐な姿に目を奪われていると、少し間をおいてから、年上と見られる子が「コンパス、どこですかっ」とはつらつに尋ねてきた。

コンパス―――コレが、この少女を俺のトコロへ誘った、愚かにして、素晴らしい商品―――

こともあろうか陳列棚の一番上に吊り下げられており、とても幼い背には届きそうにない場所にあった。これでは確かに、見つけるのも困難だ…

「芯のみを嵌め込むタイプ」と「小さな鉛筆を嵌め込むタイプ」を震える手に取る。

指差しで「どっちにする?」と、可能な限りに優しい声で、ゆっくりと些細な説明も加える。

結局どちらかだったなど、この際どうでもいい。その時ほど饒舌に解りやすい説明を出来たことなど、今まで無かったのだ。

これまたはつらつに答えた少女に、これまた可能な限りに優しく、手渡すこの手。

「ありがと…っ」
「ありがとうございましたっ!」

2つの利発そうな声が静かな午前の店内に響いて…






…そこから先は夢心地だった。

何度か店内を往来しては折り紙や台所洗剤などを小さな胸に抱えている姿を、眼球と脳裏(と股間)に焼き付けて、その意識のまま午前を終えた次第だ



ありがとうコンパス!
コンパスフォーエヴァー!
コンパスイズユニバァアアァアス!

今日という日よ、ありがとう!
そして、記憶に残らないようなほんの僅かのことであれ、一瞬でも彼女らの役にたてたこと、きっと、いいや絶対、俺の誇りになる!



さ、少し寝よう…寝不足はいかんね

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